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一般社団法人 日本生薬学会 English

学会概要outline


事業

1. 会誌および学術図書雑誌の刊行
2. 学術講演会、講習会および研究会等の開催
3. 生薬学、薬業および関連科学ならびに産業に関する調査
4. 生薬学、薬業および関連科学ならびに産業に関する研究の奨励、表彰
5. 関連学会ならびに団体との連携および協力
6. 公益事業への協賛
7. その他、当学会の目的を達成するために必要な事業

定 款 細 則

会長挨拶

 新型コロナウイルス感染症への対策が進み、ようやく社会が落ち着きを見せはじめている一方で、ウクライナでの戦禍は、1年以上続いています。21世紀の今、一人の患者の命を救うために多くの医療スタッフが懸命に尽力している医療現場と、何百人という人が一瞬で命を落とさなければならない戦場が同時に存在している現実を思うにつけ、激しい矛盾と自身のあまりの無力さを感じずにはいられません。犠牲になられた多くの方々に心からの哀悼の意を捧げるとともに、1日でも早くこのような状況が解消されることを願って止みません。
 今年度、伝統ある 一般社団法人日本生薬学会の第44代会長を務めさせていただくことになりました。これまで培われてきた本学会の理念を引き継ぎ、会員の皆様の研究や生薬学・天然物化学関連の学術が益々進展するように、大変微力ながら努力する所存でございます。引き続き、ご支援、ご協力賜ります様、何卒よろしくお願い申し上げます。
 生薬学・天然物化学は、「古くて新しい」学問です。現代の最先端の有機合成化学も、元をたどれば天然有機化合物の化学構造決定や全合成研究に端を発します。また、漢方薬の例を挙げるまでもなく、人類は植物を中心とした天然物やその含有成分を医薬品として使用してきた歴史があり、現代の薬物治療の原点に「生薬・天然物」が位置することは紛れもない事実です。さらに、人体に特異な作用を有する天然有機化合物が、最新の医薬品として用いられるだけでなく、未解明な人体メカニズムの解明研究につながることもあります。植物生合成遺伝子研究は、単に植物の化合物産生メカニズムの解明にとどまらず、ゲノム編集技術の発達と相まって、新たな有用化合物の供給法や新規天然有機化合物の創生という目覚ましい進歩を遂げつつあります。日本生薬学会は、この学問領域の歴史的背景を踏まえつつ、最先端の研究に力を注ぐ多くの研究者が活躍するプラットホームとして発展していく必要があります。
 一方、学会員の多くが所属する薬学部教育も、この15年で大きな変革がありました。6年制に移行し、臨床教育に対する比重が大きくなり、2024年度から適用される改訂モデルコアカリキュラムにおいては、より一層、臨床教育の重要性が強調され、特に、生涯教育の重要性が強く述べられております。このような状況において、日本薬剤師研修センターとの協力体制で運用している「漢方薬・生薬認定薬剤師制度」は、社会的意義が非常に大きい事業と考えられます。様々な社会環境によって生じる現代医学だけでは対処が難しい病態や愁訴に対して、漢方薬の適用が進んでいます。現場の薬剤師の漢方薬へのより深い理解を促す本制度が、一層活用されることを期待しております。
 日本生薬学会は、「生薬」という特定の医薬品と強く結びついた学会です。この特性から、生薬を扱う産業界や生薬の品質基準を規定する官界との結びつきも強く、「産官学連携」を具現化する学会でもあります。一方、生薬は、その大部分を輸入に頼っているという現実があり、その供給が国際情勢に左右されるという不安定要素を抱えています。このような背景から、日本生薬学会は「日本東洋医学サミット会議」(JLOM)に所属し、様々な活動を行っております。JLOMでは、生薬の国際規格(ISO)などについて様々な議論が交わされ、国際標準が定められます。しかしながら、関係諸国と日本の医療環境の違いなどから、場合によっては日本にとって好ましくない国際規格が発動してしまう可能性があります。そのような事態を回避するために、日本生薬学会は、関係学会や産業団体と協働して、日本に適した国際規格の制定に尽力しています。
 日本生薬学会では、上記の多方面にわたる事業を推進するとともに、年会、支部活動、学会誌の刊行を行っています。これらの活動は、会員の皆様のご協力なくしては実施し得ないものであり、ここに深く感謝する次第です。今後とも、学会の益々の発展のために、皆様の年会へのご参加、学会誌への積極的なご投稿、理事会や会長へのご助言、ご提言をよろしくお願い申し上げます。


令和5(2023)年度 一般社団法人日本生薬学会会長
青木 俊二



歴代会長

一般社団法人日本生薬学会

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